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「永遠のこどもたち」 [映画(2009)]

これは見応えのあるホラーだった。いや、ホラーじゃなくファンタジーだろうか。撮り方は文芸調でもあり、特定のジャンルに押し込めるのは難しいスペインの作品である。

孤児院で育ったサラ(ベレン・ルエダ)は、そこから養子に出て成長し、30年後に夫で医師のカルロスと一人息子で7歳になるシモンの三人で、サラが出てから閉鎖になった孤児院の建物に移り住んだ。平穏な日々が続くもシモンの様子がおかしくなってくる。彼は空想上の友達と話したり遊んだりするようになっていた。そんな中、ペグニナと名乗る老女が現れ不審な行動を始める。追い払うがサラの心に不安がよぎる。サラは念願であった孤児院の経営を同地で始めるべく準備していたが、いよいよシモンの様子がおかしくなっていく。孤児院の入園希望者を招いてパーティを開いた日、遂にシモンが失踪してしまう。シモンは難病を抱えており、長い間離れていると命が危ない状況になってしまう。必死に探すサラであったが、シモンは見つからなかった。そして半年が過ぎ、周囲も夫のカルロスも諦めていたが、シモンは生きているはずと信じるサラは…という物語。

最後まで物語に惹きつけられて観た。いろいろな伏線が集結するラストまで納得の展開。そして映像の美しさも印象的で、実に計算されたカメラワークに魅せられる。この作品を監督したのが、これが初長編映画だったJ.A.バヨナ。製作を『パンズ・ラビリンス』『ヘルボーイ』シリーズのギレルモ・デル・トロが務めた。この二人のコンビというのは作品の方向性が近く思えるので、納得の組み合わせである。

それにしても映画に登場する子供の遊びが、日本で言う「だるまさんがころんだ」だったのはびっくり。僕はすっかり日本の古い遊びだと思っていたのだが、スペイン映画で使われていたなら外国から入ってきた遊びってことなのだろうか。映画の本質とは関係ない問題だが気になってしまった。

永遠のこどもたちB.gif


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コメント 6

nexus_6

「だるまさんがころんだ」に相当する言葉は何だったんでしょう?
by nexus_6 (2009-02-14 09:20) 

丹下段平

「1、2、3、壁を叩け」と言ってポンと壁を叩いて振り返る、といった感じで、あとは「だるまさんがころんだ」と全く同じでした。
ところで何で「だるまさんがころんだ」なんでしょうね。考えてみればその言葉の意味を知らずに遊んでましたね。
by 丹下段平 (2009-02-15 11:00) 

hash

こんばんは。
評判の高い作品のようですが、G・デル・トロがプロデュースしていたんですね。
>「だるまさんがころんだ」
地方によって違うようですが、10文字が条件みたいですね。
ちなみに、西では、「ぼうさんがへをこいた」でした。
by hash (2009-02-17 01:10) 

丹下段平

「ぼうさんがへをこいた」はケッサクですね。この台詞を女の子も言うんでしょうね。もしかしたら日本各地で違うのかもしれませんね。
by 丹下段平 (2009-02-17 08:06) 

薔薇少女

始めまして、
ばんさんのコメント欄から飛んで来ました!
この映画、見逃してしまいました!!!
最近、あっという間に見ようと思ってた映画が
終ってしまう様な気がします。
邦画がやたら多いせい?っていうのも、
気になります。
興行成績が良いのが、良い映画とは限りませんし、
むしろ、あんまり皆が見ない映画が結構好きかも???
イキナりの訪問で、勝手なおしゃべりしちゃってゴメンナサイ(謝)
by 薔薇少女 (2009-02-19 10:25) 

丹下段平

薔薇少女さん、はじめまして。
以前は関東にいましたが、今は札幌に住んでいるので、ミニシアター系の作品はどうしても公開が遅れてしまうので、記事を書いた時には既に公開が終わっている地域も多々あると思います。それがちょっと残念に思っています。
ぜひまたお越しください。
by 丹下段平 (2009-02-19 22:07) 

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