「ブッシュ」 [映画（2009）]
最初に結論から書いてしまうけど、この『ブッシュ』はジョージ・Ｗ・ブッシュ前アメリカ大統領に余程興味がある人じゃなければ面白くないと思う。
つい最近まで大統領だった人のドラマを曲者のオリバー・ストーン監督が描くとあって、かなり毒のある小馬鹿にしたようなブラック・コメディを期待したのだが、これが至ってまともで普通の撮り方をしているのが意外だった。
テキサスの名門家に生まれたジョージ・Ｗ・ブッシュ（ジョシュ・ブローリン）だが、職を転々としながら遊び呆ける日々を過ごしていた。やがて父の大統領選挙の手伝いをし、見事当選。自分も父に目をかけられている弟に対抗すべくテキサス州知事選に出馬し当選。やがて大統領選挙に名乗りを上げ…後はご存知の通り。
名門の家系で厳格な父の下で悩める日々を過ごしたジョージ・Ｗ。優秀な弟と比較されて疎まれた彼が、父親に自分を認めてもらいたいともがく姿は『エデンの東』のジェームス・ディーンに近いのかもしれない。しかし案外凡庸な彼は大統領になってしまって迷走を続ける。冒頭の大学での馬鹿騒ぎから『アニマルハウス』のジョン・ベルーシの姿もダブってくる。
と書いていくと面白そうに思えてくるのだが、これで面白くならなかったのだから映画は難しい。もしかしたらアメリカ人が観るのと日本人が観るのとでは受け止め方が大きく変わってくるのかもしれない。アメリカ人なら「なんでこんな男を選んでしまったのだろうか」という後悔や憤りがこみ上げてくるのかもしれない。それから繰り返し挿入されるブッシュがテレビで野球を観ながら食べていたスナック菓子を喉に詰まらせる場面は爆笑のポイントなのかもしれない。おまけに彼が南部のテキサス出身というのも日本人には理解できない微妙なニュアンスであったのかもしれない。いずれにしてもかなりのアメリカ通で政治にも詳しい人じゃないと面白がれない作品であったのだろう。
日本でも太郎氏の映画ができたら観たい？
観点はいろいろ……明らかに違うと思います。
by 漢 (2009-07-04 12:10)
プレッツェル喉に詰まらせたり、自転車でダイヴしたり。
あの浅はかな男をチャーミングと言う米国人もいて、
大統領選はお祭りなんだなと当時思いました。
ブッシュも麻生太郎も、小沢一郎も観てみたいですね。
by CORO (2009-07-04 20:23)
この映画で、私は一行も文章が浮かんでこなくて記事を書くことは出来ませんでした。
段平さんはやっぱりすごいです。
太郎氏、かなり荒波の中におられますが 私はけっこう好きなんです。
11月からウチに来た猫にその名をもらったので、あんまりいじめないで上げて欲しいなぁと いろんな方面に対して思います（笑）
by マヌカン☆ (2009-07-04 22:38)
久しぶりにプロフィールを覗かせて頂きました。
今は神奈川ですか？。
麻生太郎さんの映画は面白い構成になるでしょうね。
by ばん (2009-07-04 23:16)
興味はあるけど。。どうかな？おもしろいと思うかな？
もううんざりともいえるんですけど＾＾；
ちなみに先日の飲み会では、「絶対選挙でズルをした」という話題で盛り上がりました。カンボジアの政府が、カンボジアから選挙管理委員会を送ろうか？と大真面目で言ったそうで。
by duke (2009-07-04 23:37)
漢さん、こんにちは。
多分観る人で全然違った印象を受けるんでしょうね。これを中東の人が観たらどんな気持ちになるのでしょうか？
by 丹下段平 (2009-07-05 02:53)
COROさん、こんにちは。
ブッシュがチャーミングって…確かに大統領じゃなければ面白いオッサンとして受けたでしょうけどねぇ。
麻生太郎はコメディになりそうだけど、小沢一郎じゃ笑えないでしょうね。
by 丹下段平 (2009-07-05 02:57)
マヌカン☆さん、お褒めの言葉ありがとうございます。
実は僕もどう記事にしていいやら悩みました。前の記事『いけちゃんとぼく』より先に観たのですが、書けないまま後回しにしてしまったくらいです。
太郎氏は総理大臣じゃなければいいキャラなんですけどねぇ…
by 丹下段平 (2009-07-05 03:01)
ばんさん、実は札幌に住んでおります。
プロフィールは2006年に始めた時のままになっており、それから全く手を加えずにいましたし、すっかり忘れていました。直さないといけませんね。
by 丹下段平 (2009-07-05 03:07)
dukeさん、こんにちは。
もう、うんざり…お気持ちは分かる気がします。
カンボジアの話、笑えますね。確かにブッシュが大統領になったことは不可思議なのかもしれません。この映画を観たら尚更思うことでしょう。
by 丹下段平 (2009-07-05 03:12)
町山智浩さんの「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」
等を読んで、アメリカという国に内在する様々な問題や日本人には
知り得ない文化的背景の存在を改めて感じました。この映画は観たいです。
by nexus_6 (2009-07-05 20:02)
おそらく感覚が全然違うんでしょうね。
もっとも最近の日本の学生も地理はかなり苦手らい話を聞いたことがあります。
まさか北海道の人は東京がどこにあるか知らない…なんてことはないでしょうね？
by 丹下段平 (2009-07-05 22:47)
すみません、映画については何にも言えないのですが、
札幌にお住まいでしたか。
てっきり、東京方面かと思っていました？！
北海道は広過ぎて、ビックリしてしまいました！
函館と札幌がスグ近くだと思っていました・・・
by 薔薇少女 (2009-07-05 23:28)
昨年10月に神奈川から札幌に転勤いたしました。札幌での日常のことは、無謀にも始めてしまった、もう一つのブログをご覧ください（興味がありましたらで結構です）。
http://sapporohyouryuki.blog.so-net.ne.jp/
ホントによくいるんですよ、札幌と函館が車で1時間くらいの距離だと思ってる人。北海道を旅行する時はよく下調べしないと痛い目にあいます。
by 丹下段平 (2009-07-05 23:49)