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「女の子ものがたり」 [映画(2009)]

今年2本目の西原理恵子原作モノの映画化。6月に観た『いけちゃんとぼく』は男の子が主役だったけど、この『女の子ものがたり』はタイトルにあるように女の子の話。性の違いはあれど、何となく主人公に共通するものが見受けられることから、原作者自身の生い立ち、体験や性格まで双方に反映されているものと思われる。こんな作品は作者の想いが籠るもの。さらにこちらの方が自伝に近いらしい。

物語は現在の主人公・高原菜都美(深津絵里)が小学生時代(森迫永依)と高校生時代(大後寿々花)を振り返る設定になっており、2人の親友との友情が深まる様子と、成長するにしたがって変化していくお互いの関係が描かれている。そんなエピソードを回想する今の菜都美は漫画家になっており、スランプに陥っており無気力状態。担当編集者の財前(福士誠治)にせっつかれても、のらりくらりと振り回すのみ。回想の友情物語を受けて現在の菜都美がどうなるのかがポイントになっている。

基本的には「いい話」なのだが、その一方で際立ったものがない分、作品の印象が薄い。元々長い原作だったのを映画用にエピソードを摘まんでいると思われるのだが、夫々は丹念に描いてはいるもののエピソード間にブツ切り感もあり、いまひとつ深みが増してこない。例えばはじめてできたBFとは出会いから初キスまで描いておきながら彼の出番はそれっきり。後はご想像にお任せします、ってことなんだろうか。

それにしても幸せになれない女の子たち。ロクデナシな男にひっかかり、ロクデナシな両親(あるいは片親)と同じ道を歩もうとしていく彼女らの運命が悲しい。それが分かっていながら止められない菜都美。「女の子の道はどんどん伸びていく」けど棘の道になっている。もっとも歩きやすい道ばかりの人ってそうはいないだろうけど…

女の子ものがたり.gif


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なぎ猫

女の子物語は未見ですが・・・、
96時間、見ました。おとっつあん、元CIA(だっけ?)って設定で
プロゆえに容赦ないってところは面白かったです。
案外、娘の居所が簡単に割れてしまった感じがしましたけど。
この記事と関係ないコメントでごめんなさい。
以前に96時間について書かれていましたので。
by なぎ猫 (2009-09-13 01:08) 

丹下段平

なぎ猫さん、こんにちは。
文章の様子ですと「そこそこ面白かった」って程度でしょうか? やっぱり『96時間』は男の子映画だったのかもしれませんね。
by 丹下段平 (2009-09-13 20:31) 

薔薇少女

>西原理恵子
サイバラさんなんですね?!
相変わらず、映画館行けずにいます。。。
ココシャネル、と、プールは見たいけど・・・?

by 薔薇少女 (2009-09-14 11:27) 

丹下段平

薔薇少女さん、こんにちは。
今は観損ねてもレンタルとかで観られますから、いい時代ですよね。
この作品は「無理しても観た方がいい」って程ではありません。
by 丹下段平 (2009-09-15 07:37) 

よーじっく

こんにちは。

映画の中では友達とのエピソードが、こちらは興味を
惹かれているのに、一方的にバサッ、バサッと強引に、
繋がれていくことに、歯がゆさを覚えました。

けれど尻切れトンボみたいな、そんな関係さえも
友達と呼ぶ(呼びたい?)、主人公なんだから、
それはそれで映画としては、正解なのかもと、
納得した次第です。


by よーじっく (2009-10-05 17:03) 

丹下段平

丁寧に描いているようで、シーンとシーンの繋ぎが雑というか、何というか。
原作を読んでいないので推測ですが、エピソードを抜粋した結果ではないかと思えました。
by 丹下段平 (2009-10-05 22:49) 

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