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「ALWAYS 三丁目の夕日’64」 [映画(2012)]

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前作から5年後の1964年。ようやく僕が生まれた後の時代設定になった。とは言っても、この時代の記憶は幼すぎて全く残っていない。当時、僕は東京郊外の調布市(今は郊外って雰囲気でもないけど、以前は結構田舎っぽかった)に住んでいた。実は調布市は東京オリンピックのマラソンコースになっており、僕も両親とわざわざマラソンを観に千葉からやって来た親せきらとエチオピアの英雄アベベの快走を間近に目撃したはずなのだが、残念ながらきれいさっぱり覚えていない。

そんな1964年、東京オリンピックに沸く東京を舞台とした、シリーズ3作目の『ALWAYS 三丁目の夕日’64』。これをなんと3Dで観た。2Dで充分そうな内容のこの作品をあえて3Dで観たのは「立体的な方が風景がジオラマ的に見えて面白いかも」と思ったから。何たって三丁目シリーズはレトロな風景の箱庭を覗き込むような感覚が楽しいのだから。

内容は、作家の茶川さん一家(吉岡秀隆、小雪、須賀健太)と、お向かいさんの鈴木オート一家(堤真一、薬師丸ひろ子、小清水一揮)に従業員(堀北真希、染谷将太)たちを中心とした群像劇。前2作での敵役も今回はなく、善意の人々だけの生活が描かれている。今回の目玉は鈴木オートの従業員・六ちゃん(堀北)に彼氏(森山未來)ができての騒動と、茶川さんにライバルの若手作家が現れて雑誌の連載が危うくなること。まぁ、最近ではテレビドラマでもやらないような古典的な「ザ・ホームドラマ」なんである。 でも、このシリーズはこれでいいんじゃないかな。僕が魅力を感じるのは、映画世界の「居心地の良さ」なんだから、波風も程々くらいが丁度いい。1964年当時の日本はもっと汚く野暮ったかったはずだけど、当時を知らない山崎貴監督の想像力では小ざっぱりし過ぎてリアリティに少し欠けるのだが、こちらも汚いものを観たい訳ではないので、まぁよかろう。

それにしても、更に続編が作られるのだろうか。そうなると時代は1970年前後か。だんだん人々は個人主義になっていき、今までのような「居心地の良さ」を維持するのは難しかろう。風景からは路面電車が消え、地下鉄やビル建設で工事だらけの騒音だらけ。鈴木オートや茶川さんもあんな都心に住んでいられなくなるのでは、と心配になってしまう。ちょっとリアルに考え過ぎなんだろうか…

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