SSブログ
映画(2011) ブログトップ
- | 次の10件

「グリーン・ホーネット」 [映画(2011)]

高校時代の友人に金持ちの、一般的に見たらドラな息子Mがいた。Mの父親は東大出で某大メジャー商社の重役。東急田園都市線沿線の瀟洒な住宅地に立派な一軒家があり、僕はよくMの家に招かれてはドラ息子同士でダラダラと時間を無駄遣いしていた。

Mはとにかく時間にルーズで、待ち合わせ時間に必ず30分は遅れて来る奴だった。こちらは時間にはキッチリしている方なので、Mのルーズさには嫌気がさしていたのだが、その一方「金持ちの友人を失いたくない」気持ちもあり、怒りの言葉はグッと飲み込むようにしていた。

そんなMなど比べものにならないくらいの金持ちで、Mもビックリするくらいのドラ息子が主役の『グリーン・ホーネット』を「目が疲れる」なんて文句垂れながらも、またIMAX3Dで観た。

金持ちなのもさることながら、おそらくグリーン・ホーネットことブリット・リード(セス・ローゲン)はヒーロー映画史上最も

デクノボウ

なんじゃなかろうか。本人にはまったくヒーローとしての素質がないのだが、側近のカトー(ジェイ・チョウ)がすんごく強いのでおんぶにだっこという有様。こんなトホホなヒーローに思わず失笑。また富豪のヒーローと言えば『バットマン』のブルース・ウエインが思い出されるところだが、共通するのは金持ちなことくらいで、比較にならないくらいの「志の低さ」なんである。何せヒーローとして立ち上がった動機は、単に「ヒーローになりたかった」からで、「正義のため」なんて崇高な精神は微塵もなく、単なる

金持ちの道楽

に呆れるばかり。まぁ、今さら真面目くさったヒーローモノでもあるまいという気もするので、ちっと風変わりなコメディとして結構楽しんで観ることができた。ミシェル・ゴンドリー監督のタッチがこの作品にはマッチしていたと思う。それにしても秘書のキャメロン・ディアスは誰でもよさそうな役だったなぁ。これは何かの布石だったんだろうか。それとも単なるゲスト出演? そして悪役のクリストフ・ヴァルツは『イングロリアス・バスターズ』に比べると冴ず。ちょっとこの二人の扱いが勿体なかった。

話はMに戻る。奴は金持ちの割にはケチで、コーヒー一杯奢ってもらったことはなかったが、彼の所有物が魅力でなかなか離れられなかった。特に目玉だったのは望遠のついた8ミリカメラ。映画に興味を持ち始めた僕とMは、そのカメラで自主映画を創り始めた。高校時代に映画を創れたのはMの(カメラの)お陰である。そのことだけは今でも感謝している。やはり「持つべき者は金持ちの友人」ってことである。やがてMは、自作の8ミリ作品がPFFに入選することとなった(→関連記事)のだが、今でも何かの間違いだったような気がしてならない。そんなMとも今やすっかり疎遠になり、どうしているのか全く分からない。万が一、彼がこの記事を読んだら「自分のことだ」と気が付いてくれるのかなぁ…(気がつかない方が幸せかもしれないけど)

グリーンホーネット.gif


nice!(20)  コメント(14)  トラックバック(10) 
共通テーマ:映画

「RED/レッド」 [映画(2011)]

なんとなく「B級アクション」が観たくなって、ポスターだけで観ることに決めた『RED/レッド』。まさかこの程度の動機で予備知識もなく期待もそこそこだった作品に驚かされ、喜び、興奮させられることになろうとは…

元CIAのフランク(ブルース・ウィリス)は引退した後は小さな町で年金生活を送っていた。そんなフランクの楽しみは役所の年金係のサラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)と電話で話すこと。フランクは彼女に親しみを感じていた。ところが突然フランクは何者かに襲撃を受けた。彼と唯一接点のあるサラも危ないと考え、強引に彼女を連れ出し町を出た。フランクが向かった先はかつての仲間(モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレン)の住み家。一方、自分を襲った者、襲われた原因を探っていくと、現役のCIA(カール・アーバンほか)にたどり着いた。そこには全米を揺るがす陰謀が隠されていた…ってなお話。

それは不意打ちであった。ストーリー全体ではそれ程重要とは思えないシーンにある老人が登場。その顔…目を疑った。随分老けてはいたけど、こんなシーサーのような顔立ち…

アーネスト・ボーグナイン!?

思わず「え・え・え!」と声を上げそうになってしまった。だってだって彼を最後にスクリーンで観たのはジョン・カーペンターの『ニューヨーク1997』。これは1981年の作品。その時だって結構高齢に見えたのだから、その後見かけなくなったら当然引退したものだと思っていた。さらに言えば「まだ生きてたんだ!」ってくらいの驚き。パンフによると1917年生まれ!だから94歳!! まぁ正直なところこれだけで大興奮してしまったワケっす。(ちなみに過去の出演作も記事にしているので「誰それ?」と思われた方は、そちらも参考にしてください→こちら

アーネスト・ボーグナインのことばかりになってしまったけど、それを置いても見所のある作品であった。特筆すべきはヘレン・ミレンのスナイパーっぷり。途中から彼女が登場すると一気に場面をさらっていく。クールで凛とした姿が主役のブルース・ウィリスを霞ませるくらいにすんごくカッコイイのだ。創り手もそう思ったのか、後半は彼女の見せ場が主役よりも多く与えられていた。他にはジョン・マルコヴィッチのドナルド・サザーランドっぽいブチキレ方が笑わせてくれる。

そんなこんなで実力あるいぶし銀のベテランを揃えた(他にブライアン・コックス、リチャード・ドレイファスもイイ!)標準以上の娯楽作品に仕上がっている。あまり話題になっていなかっただけに「拾い物」って印象である。

それにしても、まさか「アーネスト・ボーグナインの新作映画」を紹介できるなんて考えもしなかったなぁ。ブログを続けていれば、こんな嬉しいサプライズがあるもんだね。

red.gif


nice!(25)  コメント(15)  トラックバック(21) 
共通テーマ:映画

「トロン:レガシー」 [映画(2011)]

このところ出張続きでブログとは書くのも読むのもすっかりご無沙汰な私。なんだか記事の書き方を忘れてしまったぞぃ。おまけに今回の『トロン:レガシー』は観てから随分時間が経ってしまっているし、まともな記事になるんだろうか…?


imax01.jpg昨年暮れ、札幌に初めてできたIMAXシアター。それがどんなもんじゃい、って野次馬根性で観たのが『トロン:レガシー』。1982年に創られた前作の『トロン』は観ていない。当時観ようと思えば観られたけど、観たいとは思わなかった。周りの映画好きでも『トロン』を観たって話は聞いたことがない。そんな作品の続編を創る価値があるのか分からないけど、こちらの興味は本編よりもIMAX。空いてそうだし丁度いいや、ってことでの観賞。

imax02.jpg入り口で渡された3Dメガネ片手に劇場へ入ると巨大な壁が立ち塞がったかのような大スクリーン。今は閉館してしまった新宿のテアトルタイムズスクエアみたいな感じ。まぁ、このシネコンに元々あった部屋だからこれで驚きはしないけど、どでかいスクリーンから色んなものが飛び出してくるのかと思うと映画の内容とは別にワクワク度アップ(所詮O型だから単純なんです)。

物語は20年前、大企業のCEOであった父(ジェフ・ブリッジス)が突如したために若くして引き継いだサム(ギャレット・ヘドランド)であったが、成長した今でも相変わらず無謀に遊び呆けている毎日。ある日父の経営していたゲームセンターからコンピュータの中の世界に入ってしまった。そこは人の姿をしたプログラムたちの世界。そしてそこに君臨していたのは昔と変わらぬ姿の父であった。しかし父は息子のサムを排除しようと攻撃を始める。危機一髪な状況に陥ったサムを救ったのは謎の女クオラ(オリヴィア・ワイルド)であった。いったい彼女は何者…ってな調子。

僕のようなアナログ人間にはかなり現実離れした内容。だけど人間ドラマさえしっかりと描かれていれば面白く観られるし感動もできる…のだが、イマイチ乗り切れなかったのは、それがあまり上手くいかなかったってことなんだろう。せめて主人公にもう少し魅力があれば、また違った印象を受けたのかもしれないが。しかし驚いたこともある。CGでジェフ・ブリッジスを若返らせたこと。これはちょっと凄かった。こんなことが出来ちゃうのなら、登場人物の若い頃の姿を別の役者が使われることがなくなるのでは? まぁ、逆に言えばそれがこの作品の一番の見所だったと思う。根本的にディズニーがわざわざ20年の歳月を経て『トロン』の続編を創る価値があったのか…?

それにしてもIMAX3Dって観ていて疲れるばっかりな気がする。技術の進歩に人間の体がついていかない…って僕の老化現象のせい?

トロンレガシー.gif ←あきらめムード


nice!(26)  コメント(10)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

「アンストッパブル」 [映画(2011)]

ボンクラの尻拭いに命懸けで挑む鉄道員!

まぁ、物語の概要をかいつまんで書いたらこんなカンジ。監督がトニー・スコットなだけに派手な割には淡白な印象の娯楽映画になってるんじゃないかという読みは当たり、主人公の鉄道員二人(デイゼル・ワシントン、クリス・パイン)はそれぞれ悩みを抱えているものの、それ程深いものを感じられないので、感動するってところまでは至らない。トニー・スコットの映画って昔からいつもこんな調子(タランティーノ脚本の『トゥルー・ロマンス』だけは良かったけど)。

それでも観ている間は一応ハラハラさせてくれ、観客のこちらも飽きることはないので、派手だけど軽いヒット・メーカー、トニー・スコットらしい作品になっている。

それにしても事件の発端になった鉄道員がトンマ過ぎるなぁ。「この映画は《事実》から生まれた」そうだけど、事実でもこんなトンマだったんだろうか。まぁ、アメリカらしいと言えばアメリカらしいけど…

(記事もスカスカになってしまった…)

アンストッパブル.gif


nice!(29)  コメント(7)  トラックバック(13) 
共通テーマ:映画

「黒く濁る村」 [映画(2011)]

いかにもヤバそうなタイトルがいい、韓国製サスペンス映画。

長らく音信不通だった宣教師の父(ホ・ジュノ)の訃報を受け、ソウルから遠くの村にやって来た息子ユ・ヘグク(パク・ヘイル)。父の葬儀が始まろうとしていたが、どうも村人たちの態度がおかしい。父とは旧知の間柄の村長(チョン・ジェヨン)をはじめ、村長の取り巻きたち(キム・サンホ、キム・ジュンベ、ユ・ヘジン)も一刻も早く葬儀を済ませヘグクに帰ってもらいたい様子。不審に思ったヘグクは紹介された雑貨屋に滞在ししばらく父の死因を探ってみることにした。雑貨屋は若い女性のヨンジ(ユソン)が独りで切り盛りしているが、夜になると村長の取り巻きたちが次々に現れて彼女と関係を持っている。いよいよ不可思議に感じたヘグクが父の遺品を整理していくうちに、父の所有していた土地が村長名義に改ざんされていた。そして父の家の地下から地下道が掘られていることを発見したヘグクが進んでいった先には…というのが物語の発端。

作品の重苦しい雰囲気の演出、役者の迫真の演技等に優れたものがある作品ではあったが、今ひとつ物足りないものが残り傑作になり得なかったのが惜しい。主人公のヘグクは父の死因を解明すべく村人たちを探っていくのだが、それと同時に自分の知らない生前の父の姿も知ることになる。しかしその描写がお座成りにされているため、ヘグクの父への想いの変化が見えてこない。となるとサスペンス作品ではあるが、プラスアルファの感動までは生まれてこない。この部分こそが作品を一段上のものにするか否かの分かれ目のように思えるのだが。ともあれ、サスペンスだけでも2時間半を超える長尺を飽きさせなかったカン・ウソク監督の力量は確かなものであった。

それにしてもこの作品も含めていくつかの韓国映画で描かれている警察官の腐敗ぶりは酷いものがある。これらがそのまんま真実なら深刻な社会問題と言えるだろう。ま、個人的には関わることはなさそうだからいいんだけどね。

黒く濁った村.gif


nice!(17)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「リトル・ランボーズ」 [映画(2011)]

シルベスタ・スタローン主演『ランボー』を観て感激した少年たちが、自分たちで『ランボーの息子』という自主映画(メディアはビデオなのだが)を創る話で、可愛くも可笑しくて好感度の高い作品になっている。しかし単に可愛いだけではなく、彼らの複雑な家庭環境の話も盛り込まれており、楽しいだけではなくホロリとさせられる奥行きもある。

以前も書いたことがあるが、学生時代に自主映画を創っていたので、この題材だけでも共感するものがある。大変だけど楽しい作業。「出してくれ」って言ってくる奴が現れたり、本当はそいつを入れたくなくても出すメリットを考えると仕方なく仲間にしたりと、この『リトル・ランボーズ』を見ながら昔のことを思い出したりもした。

だけど実は…

『ランボー』シリーズを1本も観ていない!(フォント大きくするほどのことじゃないけどね)

ので、少年たちと想いを共有しきれなかったのが残念。何だかね…全く興味を持てなかったんだよね『ランボー』。マッチョなスタローンが熱帯雨林で汗や血にまみれて大暴れ、って聞くだけで胃もたれしそうな気持になってくるし。これが日本なら『ランボー』じゃなくて『仮面ライダー』くらいが対象になって素直な気持ちで観られる気がするけど、『ランボー』じゃねぇ…

それにしても子供たちが創ってた映画、大学生だった僕が創ってたのよりもずっとよく出来てた。ちょっと上手過ぎる気もするけど、比べた僕が下手過ぎたのかもしれないし。いや、たぶん後者の方だな…

リトルランボーズ.gif


nice!(26)  コメント(10)  トラックバック(4) 
共通テーマ:映画
- | 次の10件 映画(2011) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。