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「J・エドガー」 [映画(2012)]

僕が映画(怪獣・アニメ映画以外)を観始めた中学生のころ、一番最初に好きになった外国人俳優がクリント・イーストウッドだった。タフでクールで男の中の男みたいな彼に憧れたが、現実は程遠かった。その当時からしばらく追い続けて観たクリント・イーストウッドの主な出演作品は『ダーティハリー』『ダーティハリー2』『ダーティハリー3』『アイガー・サンクション』『ガントレット』『ダーティファイター』『アルカトラズからの脱出』『ファイヤーフォックス』などなど。主に名画座で観ていたので時代的に多少前後してしまってはいるが、役者としてピークの時代の作品をほぼオンタイムで観てきた。ただし、全ての作品に満足できた訳ではない。好きな作品とそうではない作品を分けてみると、「イマイチ」な作品はみんなクリント・イーストウッド本人が監督していた。僕はすっかりクリント・イーストウッド監督作品を「ダメ作品」と決めつけるようになり、しかも本人の監督作品の割合が増えていき、次第に観なくなっていった。まぁ、クリント・イーストウッド監督が巨匠と呼ばれるようになった今からすれば笑い話だろう。当時の僕に映画を見る目がなかった、ってことなんだろう。どうにもスッキリ終わらない彼の作風を青二才が理解するには、少し人生経験が足らなかったのかもしれない。

そんなクリント・イーストウッド監督の最新作『J・エドガー』を観た。 

タイトルロールのJ・エドガー(レオナルド・ディカプリオ)はFBIの初代長官になった実在の人物。現在では当たり前になった科学調査の基を築き、アメリカでは英雄のように称えられた人物であったようだ(僕はこの映画を観るまで知らなかったけど)。その伝説的な人物が実はマザコン(母親役:ジュディ・デンチ)であったりゲイであったりと、表には出ない真の姿に迫った作品になっている。 

…何十年振りかに言わせてもらうけど…「クリント監督、イマイチでした」

結局最後までJ・エドガーなる人物にあまり興味を持てなかったのが一番の理由。科学調査が生み出されていった様子は割と面白かったものの、J・エドガー氏を好きになることはなかった。もっとも監督もそんな描き方はしていないのだが、では何を伝えたかったのかがよく分からなかった。J・エドガーを知るアメリカ人が観れば、また違った印象を受けるのかもしれないが。

そういえば、長年観落としていたいた主演・監督作品『ペイルライダー』を先日DVDレンタルで初めて観たけどとっても面白かった。クリントさんすんごくカッコ良かった、とあまり意味のないフォローをしておこう。 

Jエドガー.gif


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「ロボジー」 [映画(2012)]

『スウィングガールズ』の矢口史靖監督が高齢化社会に鋭く切り込んだ問題作!

…なわけないか。いつも通りの超娯楽作品なんでご心配なく(って、心配した人なんかいないわな)。気楽~に観られる脱力系コメディっす。

家電メーカーの木村電器の社員3名(濱田岳、川合正悟、川島潤哉)は社長(小野武彦)の命令でロボット博覧会に出品するロボット“ニュー潮風”を作らされていた。博覧会が近づいているため不眠不休で取りかかっていたものの、誤作動で建物から転落してしまい大破させてしまった。もう作り直せないと困惑した3人は、ロボットの外側だけ残して、中に人間が入ることを思いつく。ニュー潮風の大きさにピッタリした人間…オーディションで選ばれたのは一人暮らしの老人(五十嵐信次郎)であった。博覧会当日、ニュー潮風は穏便に済ませたかった社員3名の思惑とは異なり、ロボットマニアの葉子(吉高由里子)の窮地を救うなど大活躍してしまい、新聞やテレビで話題になり大騒動に発展していき…ってお話。

映画の作りではなく、スタンスが昭和のプログラムピクチャー的な単純明快で敷居の低い作品で、観客のこちらは脳味噌空っぽにして力を抜いて楽しめた。決して毒にも薬にもならないけど、そんなザ・娯楽映画を軽やかなタッチで見せてくれる矢口監督は、今の時代においては他に案外いないものだから、貴重な存在なのかもしれない。 

それにしてもニュー潮風の間抜けそうでアナログチックなデザインが気に入ってしまった。ニュー潮風なら金出して一台買いたいぞっ(500円くらいなら…)

ロボジー.gif


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「ALWAYS 三丁目の夕日’64」 [映画(2012)]

02銀ヒ熊賞.gif

前作から5年後の1964年。ようやく僕が生まれた後の時代設定になった。とは言っても、この時代の記憶は幼すぎて全く残っていない。当時、僕は東京郊外の調布市(今は郊外って雰囲気でもないけど、以前は結構田舎っぽかった)に住んでいた。実は調布市は東京オリンピックのマラソンコースになっており、僕も両親とわざわざマラソンを観に千葉からやって来た親せきらとエチオピアの英雄アベベの快走を間近に目撃したはずなのだが、残念ながらきれいさっぱり覚えていない。

そんな1964年、東京オリンピックに沸く東京を舞台とした、シリーズ3作目の『ALWAYS 三丁目の夕日’64』。これをなんと3Dで観た。2Dで充分そうな内容のこの作品をあえて3Dで観たのは「立体的な方が風景がジオラマ的に見えて面白いかも」と思ったから。何たって三丁目シリーズはレトロな風景の箱庭を覗き込むような感覚が楽しいのだから。

内容は、作家の茶川さん一家(吉岡秀隆、小雪、須賀健太)と、お向かいさんの鈴木オート一家(堤真一、薬師丸ひろ子、小清水一揮)に従業員(堀北真希、染谷将太)たちを中心とした群像劇。前2作での敵役も今回はなく、善意の人々だけの生活が描かれている。今回の目玉は鈴木オートの従業員・六ちゃん(堀北)に彼氏(森山未來)ができての騒動と、茶川さんにライバルの若手作家が現れて雑誌の連載が危うくなること。まぁ、最近ではテレビドラマでもやらないような古典的な「ザ・ホームドラマ」なんである。 でも、このシリーズはこれでいいんじゃないかな。僕が魅力を感じるのは、映画世界の「居心地の良さ」なんだから、波風も程々くらいが丁度いい。1964年当時の日本はもっと汚く野暮ったかったはずだけど、当時を知らない山崎貴監督の想像力では小ざっぱりし過ぎてリアリティに少し欠けるのだが、こちらも汚いものを観たい訳ではないので、まぁよかろう。

それにしても、更に続編が作られるのだろうか。そうなると時代は1970年前後か。だんだん人々は個人主義になっていき、今までのような「居心地の良さ」を維持するのは難しかろう。風景からは路面電車が消え、地下鉄やビル建設で工事だらけの騒音だらけ。鈴木オートや茶川さんもあんな都心に住んでいられなくなるのでは、と心配になってしまう。ちょっとリアルに考え過ぎなんだろうか…

AW64.gif
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「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」 [映画(2012)]

02銀ヒ熊賞.gif実は軽度の高所恐怖症である。一方で厄介なことに高い所から街を俯瞰したいという好奇心もある。たいがい勢いで上ってしまって、展望台に着いてから後悔するというのがお約束のパターン。キ〇タ〇が(キムタクではない)キュンと縮み上がるんである。そんな映画好きで軽度の高所恐怖症な僕のキ〇〇マをキュンキュンさせてくれたのが『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。

テロを阻止すべくロシアのクレムリンに潜入した、極秘スパイ組織IMFのエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)と仲間たち(サイモン・ペッグ、ポーラ・ハットン)であったが、敵に出し抜かれてクレムリンは爆破され、その濡れ衣をイーサンが被ることになってしまった。極秘裏に会った信頼できる上司も殺害され、同行していて九死に一生を得たウィリアム(ジェレミー・レナー)もチームに加わり、テロを阻止すべく、そして自分の無実を晴らすためイーサンらはドバイにある世界一の高さを誇るビル、ブルジュ・ハリファに向かった…ってお話。

軽度の高所恐怖症な自分にとってキ〇タ〇(しつこいけどキムタクじゃないよ)縮み上がり度ナンバー・ワン映画だったような気がする。もちろんブルジュ・ハリアーが物凄い高層ビルだったからかもしれないけど、それ以上に言えることは監督の手腕だったと思う。どんなに高い所から落ちようと、並の監督の作品では縮み上がるまでには至らない。高層ビルのシーン以外でも砂嵐の中での追跡シーンなど随所に見所と映像センスの良さが満載になっており、大層感心してしまった。鑑賞後「この監督、だれ?」と知りたくなりパンフを購入して調べたら、ピクサーで『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』を監督したブラッド・バードだった。日本にも有名アニメ監督が実写映画を手掛けたケースがあったが、「言われてる程のもんじゃない」ことを露呈しただけで終わってしまったのだが、それに比べたらブラッドさんは大したもん。今後の作品も楽しみなんである。

それにしても殺し屋役のレア・セドゥー、好みだったな。おいら、あんたになら殺されてもいいよ…ってことないか…。

MI.gif


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