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夏といえば寅さんだった頃② [映画-雑記]

(①からのつづき ご面倒でも①から読んでください

タイトルクレジットの最後、帝釈天の鐘つき堂のカットに「監督 山田洋次」と出ると、次はだいたいとらやのシーン。さくらがおいちゃん達と「お兄ちゃん、今頃どこにいるのかしら?」なんて話していると、お約束のように寅さんが帰ってくる。

もうその先は(いや、ここまでも?)書く必要はあるまい。例のごとく寅さんはいろいろあった後にマドンナに振られて、また柴又を後にするのだ。

観ている間、大概の映画は主人公に同化してストーリーを体験している事が多いのだが、寅さんの場合は特異なキャラクターなので、観客はむしろとらやの一員であるかのように、寅さんを温かい目で見守っているのではないだろうか。そして「また寅さん、振られて旅に出ちゃったか…」と切ない思いをしたところで、田舎の風景になり、歌のないテーマ曲がかかり「終」と出て劇場が明るくなる。

あ~終わっちゃった。

何だか一つのイベントが終わってしまったかのような軽い脱力感と淋しさに包まれる。僕はNと「今回は面白かった」とか「今回は時間が無かったのか手抜きっぽかった」などと勝手な感想を言いながら劇場を後にした。

「いつも同じ」などと言われていても、さすがにかなりの本数観ていると、夫々の出来不出来は分かる。但ししばらくすると、それが一体どの作品であったか、あのエピソードはどの回だったのかは、もう分からなくなってしまっているため、個々に語ることはできなくなっている。だから面倒になって「いつもと同じ」「お約束の」なんて言い方になってしまうのだろう。

(つづく 次回最終回)

 


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夏といえば寅さんだった頃① [映画-雑記]

男はつらいよ 49巻セット+特典ディスク2枚付7月も半ばを過ぎると、いつも決まって高校時代の友人Nから電話があった。

寅さんいつ観に行く?

Nは熱烈な寅さん映画ファンで、夏と正月、必ず僕を誘って映画館に観に行っていた。正直なところ、僕はそれ程積極的ではなく「今回は違うの観ようよ」と提案しても、頑として首を縦には振らず、僕が折れるまで駄々っ子のように誘い続けた。こちらはその様子を面白がって、わざと渋ったように思わせていたのだが、最後は一緒に観に行く約束をして黒電話の受話器を置いた。

それにしても、タイトルではなくキャラクターの名前で呼ばれる映画が他にどれ程あるのだろうか。“007”“ゴジラ“くらいしか思い浮かばない。いかにこのシリーズが長い間観客から愛されたかが分かる。

予告編が終わり、ビスタサイズのスクリーンが横長のシネスコサイズになると、富士山に「松竹映画」と出てからお馴染みの夢のシーンが始まる。寅さんが何か他のキャラクターになって、時には時代劇、時には西部劇等の主人公を演じる。カッコ良く決まる事もあればズッこける事もあり、ご愛嬌程度の短編が終わると、どこか田舎駅のベンチで夢から覚める。

そして江戸川土手にシーンが変わると同時にでかでかとタイトルが出て、例のあの音楽

チャ~ン、チャラリラリラリララ…

チャラリ~ラリ~ラリラリラ~

「あ、始まった始まった」

寅さん映画はそれ程好きではないように書いたが、このオープニングが始まると、理屈抜きにワクワクし、嬉しくなったものだ。 

(つづく)

 


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DVDにしてチョーだいっ!②〈洋画編〉 [映画-雑記]

洋画はかなりのタイトルがDVD化されているのだが、たま~に無いのがあるのでリクエストしたい。それにしても洋画の版権は無茶苦茶だね。大好きな『雨に唄えば』などのMGM作品がワーナーから出ていたり、ユナイト作品が20世紀フォックスだったりで、凄~く違和感あるんだけど。

『いちご白書』出てないんだな~これが。学生運動の話だけど、さほど政治色が強くない青春映画。切ないラストがたまらないっ! MGM作品なのでワーナーにお願いすればいいの?

『おかしなおかしな大冒険』007のようなスパイ小説を書いている作家が、自分の小説の世界と冴えない現実とを行ったり来たりするアクションコメディ。ジャンポール・ベルモンドの軽妙な演技と、ヒロインのジャクリーン・ビセットがそれぞれ絶頂期と思える姿を見せてくれる。特にジャクリーン・ビセットの美しさといったら…。これもワーナーなんだけど、ヨーロッパの映画なので、版権は別?

『シュアシング』ロブ・ライナー監督が『恋人たちの予感』よりも前に撮った作品。『恋人たちの予感』は自伝的な映画と聞いたことがあるが、こちらもそんな感じで、大学に入ったばかりの主人公が、高校の同級生から「カリフォルニアの女はやりたい放題だぜ~」と聞いてLA目指す話。テイストは『恋人たちの予感』と似ている。この映画、確か大手の作品でなかったはずなので、どこが権利を持ってるのか不明。

『HELP!』ビートルズの映画は『ハード・デイズ・ナイト(ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)』はDVDになってるのに、多分こちらはまだの筈。ビートルズの音楽は勿論だが、監督のリチャード・レスターのコメディセンスが光る快作。映画の権利以上に音楽の権利が難しいのかな?

 


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DVDにしてチョーだいっ!①〈邦画編〉 [映画-雑記]

えっ!? こんなのDVDになってるの?

って映画もあれば、

えっ!? こんなのDVDになってないの?

という映画もある。今回はDVDにしてほしいと思う作品を挙げてみる。まぁ、こんなブログの記事など映画会社の人が読んでくれるとは思わないが、賛同してくれる人がいると嬉しい。

『暗黒街の対決』岡本喜八監督作品が随分DVD化されたというのに、一番好きなこの映画がまだなっていないのは何故? 話は黒澤明監督の『用心棒』を現代のヤクザ社会(ギャングの方が雰囲気近いか)に置き換えたような映画。とにかく面白い。

『ステイゴールド』たぶん大コケした松竹配給作品。デビューしたての深津絵里が水原里絵の名前で、なんと小学生役で出ている。野沢尚脚本で、友人が自殺してしまい、その仲間3人が死んだ子の意思を継いで川の最初の一滴を求めて山に行く話。当時全く話題にならなかったが、とても良い映画で驚いた記憶あり。

『野ゆき山ゆき海べゆき』あまり評価されてないけど、大林宣彦監督作品の中で、もう一度観てみたいのがこの作品。できたらカラー版と白黒版の2枚組にしてほしいな。

溝口健二監督作品は『雨月物語』すらまだだ。いったいど~ゆ~こと? 大映作品だから難しいことでもあるのかな? その割にはつまらない作品がDVDになってたりする。DVDの担当者に映画を知ってる人間がいないのか?

 


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アメリカ映画界を憂う [映画-雑記]

『キングコング』に始まって、『ロンゲスト・ヤード 』『ポセイドン(アドベンチャー)』『オーメン』そして夏は『スーパーマン』…。タイトルだけ見ると70年代に戻ったかのよう。いったいアメリカ映画はどうしてしまったのだろう。これでは過去の遺産を食い潰している状態としか言いようがない。しかも大作が多く、期待されての公開なのだが、新しい作品を産み出す力が無くなっているのだとしか思えない。

中にはリアルタイムで観た作品もあるが、リメイクの中にオリジナルを超えた映画はあるのだろうか。それを確かめる気もないのだが…。この傾向は決して今年だけの事ではあるまい。アメリカは新しい人材が育っていないのだと思う。

僕が若かった頃はアメリカ映画は憧れだった。ルーカス、スピルバーグといった若手が活躍し、デ・パルマ、カーペンター、ゼメキス、ロン・ハワード他書ききれないほどの新人が一気に登場し、劇場を賑わせていた。今でもリメイク大作以外はその時に登場した(活躍していた)監督の作品が殆どで、いったいその後には誰が続いたのだろうかと思わざるをえない。その人たちだってもうすっかり中年である。これから先、どの程度期待していいものか。

僕としては、今後のアメリカ映画の期待作はイーストウッドの新作くらい、そんなもの。

もうアメリカ映画なんていらない! と言いたいくらいだ。

それに反して日本映画は素晴らしい。『日本沈没』『スケバン刑事』『時をかける少女』『犬神家の一族』『どろろ』『ゲゲゲの鬼太郎』って、あれ?

この国も駄目かぁ~!

たぶん、まだまだ出てくるよ。

 


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今村昌平 [映画-雑記]

今村昌平監督の訃報を聞き、記事にしようかと思ったのだが、実は監督作品を1本も観ていない事に気がついた。映画を観る際は監督を最優先で選んでいるので、大概の有名監督の作品は最低1本は観ているものだが、彼が脚本を書いている「幕末太陽傳」「キューポラのある街」は観ているものの、今村昌平監督作品は全く観ていない。同時代に生きているのだから、リアルタイムで封切り時に観ていてもよさそうなものなのに…自分でも意外だ。

人間蒸発 いや、もしかしたら肌に合わない事を察知して、自然と避けているのかもしれない。但し、観たくてもなかなか観る機会が無かったのが「人間蒸発」。高校時代、既にこの映画を観ていた友人が盛んに面白いと言っていたので気になったまま、既にあれから四半世紀が経ってしまった。

これを機会に観てみようかな。


タグ:今村昌平
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「ガキ帝国」 [映画-雑記]

先日松本竜助氏が亡くなった。実は竜介から竜助に改名したことはテレビの訃報で初めて知った。最近は表舞台に出ることは無く、いくら紳助がいろんな番組に出まくっていようと、そこから竜助を連想することはなく、すっかり忘れていた存在だった。

そして、突然倒れたという事がテレビで報道され、僕は紳助竜介の漫才でもうなずきトリオでもなく、最初に思い出したのが「ガキ帝国」のチャボだった。

「ガキ帝国」を観たのは1981年7月7日(七夕だ!)、渋谷の代々木体育館前の小さな神社の境内に建てられたシネマプラセットという銀色の丸いテントだったと記憶している(間違ってるかも)。平日の昼で客は10人程度というお寒い状況だったが映画は熱かった! 同じ井筒監督の「パッチギ」どころではない熱さで、全編ケンカ、ケンカのオンパレードでロマンスなんて甘っちょろいものは無い不良映画だった。

1967年の大阪を舞台に幾つもの不良グループが在日朝鮮人の不良グループも加えて縄張り争いを繰りひろげるのだが、リュウ(紳助)・チャボ(竜介)に在日のケン(趙方豪)を加えた3人はどのグループにも属さず気ままに生きているのだが、やがて抗争に巻き込まれていき、最後にはチャボの死で幕を閉じる。

竜介が演じたチャボはからっきし弱いのだが、他の2人がメチャメチャ強いので、その後ろでイキがっている情けない不良で、なぜか3人の中で唯一ちゃっかり彼女がいたりする憎めない男の役で、何か実生活とだぶるような感じがリアルだった。映画全体でも一番印象に残る役で、当時の評価も一番高かった。その後同じ井筒監督の「2代目はクリスチャン」にも再度呼ばれている事からも評価が分かる。

竜助の死後、紳助が「漫才が下手で…」というようなコメントをしていたが、この「ガキ帝国」は竜助が紳助にただ1度勝てた仕事ではなかっただろうか。 僕は当時の記録を見ると1981年に観た日本映画のベスト1にこの映画を挙げている(ちなみに2位は森田芳光の「の・ようなもの」)。というような事を書いていたら25年ぶりにこの映画が観たくなった。映画の中には若く元気だった竜助が永遠に輝いているはずだ。 合掌。 ガキ帝国

 

 

 

 


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