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2007年の3本【外国映画編】 [映画-雑記]

2007年も大詰め。総括の代わりに今年観た映画の中から印象に残った3本を挙げてみたい。なぜ3本なのかは2006年の時と同じ理由(→記事)。今となってはちょっと潔過ぎる気もするが、何とか絞り込んでみたい。

『4分間のピアニスト』

とても冷めた視点で描かれた映画であるが、内容は青白き炎を放った印象的な作品。心が交わらないクールな師弟関係が、ありきたりで先読みできる作品とは一線を画す。二人の主演女優の演技が凄かった。

今宵、フィッツジェラルド劇場で『今宵、フィッツジェラルド劇場で』

ロバート・アルトマン監督の遺作。劇場と共にそこで永らく続いていたラジオ公開番組の最後の一日を綴った傑作。こんな設定にも係わらずウエットにならない演出が素晴らしい。

世界最速のインディアン スタンダード・エディション『世界最速のインディアン』

オートバイの最速記録に挑戦する老人の話。実話を基にしながら、決してスポーツ的な関心で物語を引っ張ろうとせず、ロードムービーの形式で人間愛を綴った感動作になっており感銘を受けた。

実は上の2本目までは迷わなかったが、最後の一つの席にはどれを入れようか迷った。昨年から3本と決めてしまったので(→記事)、自分を恨みながら悩んだ末に絞り込んだ。ちなみに迷った作品は『パンズ・ラビリンス』と『バベル』の2本。それから今年の最初に観た『リトル・ミス・サンシャイン』は公開初日が2006年だったので、昨年の対象作品とした。もしも今年の公開作品であったならば、間違いなく3本の中に入れたはずである。

それにしても、選んだ作品は見事にミニシアター系ばっかりになってしまった。これは別に僕がミニシアター好き、ということではなく、面白そうだと感じる作品がミニシアターでしか公開されなかっただけのことである。ハリウッド製に魅力が感じられないので、それ以外は大概ミニシアターに観に行くことになってしまうのが現状。多分来年もこの傾向は続きそうな予感。

(明日は日本映画編)


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今年も映画賞の季節 [映画-雑記]

12月に入り、報知映画賞を皮切りにいろいろな映画賞が発表になる時期になった。因みに報知の作品賞は『フラガール』なんだそうな。まぁ、予想通りな結果。

実は上の文は昨年の12月5日に書いた記事の抜粋(→こちらをクリック)。今年は『フラガール』を『それでもボクはやってない』に換えれば通用してしまいそうである。

で、その記事の続きに僕の1979年から1982年までの私的邦画ベスト3を紹介してみた。そして一年越しにその続きをやろうってんだから、なんとも気の長い企画である。これも当時のノートからの引用なので、僕は未だ20歳くらいである。

では1982年から

転校生チラ.JPG1位 『転校生』

2位 『蒲田行進曲』

3位 『オン・ザ・ロード』

『オン・ザ・ロード』を3位にするなんて、まだまだ若かったな、俺。公開は1位にした『転校生』の併映だったので、大満足な2本立てであった。キネ旬では『転校生』は3位、『蒲田行進曲』が1位、『オン・ザ・ロード』は20位で、2位は『さらば愛しき大地』。『さらば…』も面白かったのだが、前途ある(?)若者にとってはいささか暗い印象しか残さなかったのだ。

続けて1983年

細雪チラ.JPG1位 『細雪』

2位 『家族ゲーム』

3位 『時をかける少女』

この年のベスト3は充実している! 『細雪』を1位にしたなんて、ちょっとは大人になったんだな、俺。キネ旬は1位『家族ゲーム』、2位『細雪』、3位『戦場のメリークリスマス』。『時をかける少女』は15位。『戦メリ』は凄く話題になったが、内容的には期待以下だった記憶がある。でも坂本龍一の音楽は印象的だった。

最後に1984年

ナウシカチラ.JPG1位 『風の谷のナウシカ』

2位 『Wの悲劇』

3位 『天国にいちばん近い島』

宮崎駿という監督を意識し始めたのはこの作品から。1979年に『ルパン三世 カリオストロの城』を1位にしたが、まだ監督までは意識していなかった。キネ旬では『ナウシカ』は7位、『W』は2位、『天国』は最低の69位。ちなみに1位が『お葬式』、3位は『瀬戸内少年野球団』。

改めて感じたのは毎年大林宣彦監督作品を入れていること。この頃は大林監督信者だったようだ。日本映画はこの時期を境に等身大の作品が主流になっていく。その転換期とも言える時代の旗頭が大林監督であった気がする。ファンタジーでありながら作品が凄く身近に感じられたのだ。

では、この続きはまた来年の12月5日をお楽しみに!


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初MOVIXで感激 [映画-雑記]

『キサラギ』が観たかったので、少し離れた所にあるシネコンチェーンのMOVIXに初めて出掛けたのが先週の木曜日。平日の夕方と言うのに結構混んでおり、約15分掛かって漸くチケットカウンターに辿り着いた。大人1800円を払おうと2000円出したところ、目茶目茶可愛い係のお姉さんが、「本日メンズデーなので、1000円で結構です」との事。

な、何~ぃ! メンズデーだとぉ!?

普段からMOVIXを使っている人にとっては当たり前の事で、何を今さらって感じなのだろうが、こちとら初登場。しかも何の予備知識無く行ったのでびっくり。男としてこのテの特典に初めて与ったという感覚。

確かに昨今、映画館(特にシネコン)では女性の姿が多くなった。昔は映画館といえば男ばっかりであったのだが、随分時代は変わった。いろんな劇場でレディースデーは実施されている。その甲斐も多少はあったのではなかろうか。

でも、でも、男の観客に対しては、特に何も優遇するという行為を行っていない劇場が殆どであった中、今回のMOVIXには感激した。ちょっと遠いから頻繁に利用することはなかろうが、すっかり気に入ってしまったぞ!

それにしても…

どうなんだっ、ワーナーマイカル!

考えてんのかっ、109シネマズ!

やる気あんのかっ、TOHOシネマズ!

と、よく利用するシネコンには文句を言ってみたい。MOVIXを見習ってメンズデーを実施してくれれば、全く観るつもりのない『西遊記』だって1000円なら、って感じでフラリと観てしまうかもしれないぞ!

あと、MOVIXみたいに係員は可愛い女の子をお願いします。

 


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2007年上半期を振り返って [映画-雑記]

気がつけば2007年も半分が過ぎてしまった。最近は時の流れがいっそう速く感じられて焦ってしまう。

今回はひとつの節目として、今年度前半の映画について簡単に振り返ってみたい、のだが、勿論自分が観た範囲内の話である。

さくらん 特別版先ずは「女性監督」の台頭。これは昨年からの傾向ではあるが、今年もその流れは変わらない様子。僕が上半期に観たのは『さくらん』『檸檬のころ』『赤い文化住宅の初子』。洋画でも『リトル・ミス・サンシャイン』(夫と共同監督)『あなたになら言える秘密のこと』『ホリディ』と、結構多い事が分かる。邦画の場合、ゆったりとしたテンポで日常的な様子を丁寧に描写しているタッチが特徴だろうか。悪く言えば冗長に感じる箇所もあり、テンポの悪さも共通しているように思える。この辺りは自動車の運転にも似たものを感じる。このタッチが作品の素材とマッチすればとても効果的なのだが、ひとつ間違えると、単に退屈な作品に陥り易い危うさも見受けられる。でもまぁ、女性監督作品はまだまだ作られることだろう。

世界最速のインディアン スタンダード・エディションもうひとつ気付いたのが「オヤジ奮闘映画」である。『世界最速のインディアン』『ロッキー・ザ・ファイナル』『プロジェクトBB』を挙げたい。70歳を越えた男の世界最速へのチャレンジ、60歳を超えた男のボクサーへのカムバックと世界チャンピオンへの挑戦、50歳を超えた男の危険なアクション。そして夫々が印象に残る作品であった。高齢化社会の日本からこんな作品が生まれなかったのは残念だが、今後作られそうな予感がする。

と、こんな感じで振り返ってみたが、今年の後半はどんな作品が観られるのか楽しみである。


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邦画の時代? [映画-雑記]

昨日、日本映画製作者連盟が発表した2006年度の興行成績によると、21年ぶりに邦画全体の興収が洋画のそれを上回ったとのこと(記事)。確かにリメイク、シリーズ物が興収の核だった洋画(主にアメリカ、ハリウッド製)よりも邦画の方が観たいと思わせる作品が多かったのも事実。僕自身も例年になく洋画に比べて邦画を観る機会が多かった。このブログでも度々ハリウッド映画がダメになっていると書いたが(記事)、それを裏付けるような数字になったのと同時に、日本映画が質量とも勢いがあったという事なのかもしれない。

発表された邦画の興行収入ベスト10を見てみると、

1位 『ゲド戦記』 76.5億円

2位 『LIMIT OF LOVE 海猿』 71.0億円

3位 『THE 有頂天ホテル』 60.8億円

4位 『日本沈没』 53.4億円

5位 『デスノート the Last name』 52.0億円

6位 『男たちの大和/YAMATO』 50.9億円

7位 『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』 34.0億円

8位 『ドラえもん のび太の恐竜2006』 32.8億円

9位 『涙そうそう』 31.0億円

10位 『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』 30.3億円

なんだそうな。

でも、驚いた。ベスト10の作品、

1本も観ていないっ!!

自分で言うのも何だが、お見事!」な程の外しっぷりである。

海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ実は昨年の暮れに書いた記事『2006年の3本【日本映画編】』(記事)が、その内の一本に選んだ『海と夕日と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』の太田隆文監督のブログで紹介された(こちら)。まぁ、それはそれとして、太田監督の記事の中で「この記事を書いた人はマイナー映画好き」ってな事を書かれてしまった事が気になった。別にそんな事はないと反論したかったのだが、興収ベスト10内の作品を一本も観ていないのだから言い返せない。無念。

因みに洋画の興収ベスト10に入った作品で僕が観ているのは…

『フライトプラン』(7位)だけっ!!

って事は、

やっぱ、俺ってマイナーですかぁ!?


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2006年の3本【日本映画編】 [映画-雑記]

映画への愛、想いが伝わってくる作品は、それだけで美しく感動的だ。作り手がどのくらいその作品を世に送り出したいのか。そんな気持ちを強く感じられた下の3本はどの作品も愛おしい。世間的な評価はどうでもいい。「映画愛」を大切にしたい。

海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ『海と夕日と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』

作り手の想いの大きな塊を剛速球で投げ込まれたような作品。死を意識させることで生の美しさと厳しさが浮き彫りにさせられる。スタッフ、キャストの真摯な姿勢が、スクリーンの登場人物や風景に愛を満ち溢れさせた傑作。

虹の女神 Rainbow Song 虹の女神 Rainbow Song Navigation『虹の女神 Rainbow Song』

人生で一番幸せな時間への想い、8ミリの自主映画に対する作り手の個人的な思い入れ。そんな過ぎ去りし日々への郷愁に心が震える。僕個人の過去ともリンクして愛さずにはいられない作品。

いちばんきれいな水 『いちばんきれいな水』

汚れのないピュアな登場人物に心が癒される。短くも貴重な体験を通して、主人公の心の成長が見られると同時に自分のその年代の記憶も蘇る。いちばんきれいな水を湛えたプールのスタイリッシュな映像が秀逸。

こう3本並べてみると新人監督の作品が2本(『海と夕日と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』『いちばんきれいな水』)が入っている。この監督たちには、今後ありきたりの「職業監督」にはなってほしくない。

『嫌われ松子の一生』を観損ねたのが今年の唯一の心残り。因みにワーストはスクリーンの向こう側で製作者たちがそろばん勘定をしている姿が見えるかのような『東京フレンズ』。テレビの2時間スペシャル的な感覚で創られたこの映画は醜悪でしかない。


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2006年の3本【外国映画編】 [映画-雑記]

2006年の総括をする季節となった。そこで今年観た映画の私的ベスト3を選んでみたいと思う。新作映画は50本観た。一般的には多い本数だと思うが、それでもベスト10まで広げてしまうと、最後の方は数合わせのような映画が入ってしまうので、外国映画と日本映画に分けて3本づつに絞って選んでみたい。まずは外国映画から。

硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) 『硫黄島からの手紙』

昨年のナンバー・ワン『ミリオンダラー・ベイビー』に続いて2年連続でクリント・イーストウッド監督作品がトップ。何か芸が無いなとも思ったのだが、群を抜いて素晴らしかったので選んだ。それにしても外国映画ということでよかったのかな?

記憶の棘 オリジナル・バージョン 『記憶の棘』

とにかく映画の雰囲気、スタイルが好き。問題点のある映画だとは思うが、好きになってしまったのだからしょうがない。性悪女に引っかかり、周りから止めろと助言されても聞く耳持たないのといっしょ(…ってどこが?)。ニコール・キッドマンの演技が素晴らしかった。

トンマッコルへようこそ 『トンマッコルへようこそ』

下火になったと言われる韓流だが、まだこんな素晴らしい作品が出てくるので侮れない。作り手の気持ちが伝わってくる傑作。生きる喜びと哀しみ、人間愛がつまった作品。

戦争を描いた作品が2本。従来戦争映画はどちらかと言うと好きではないのだが、単なる戦記物とは違って、人間を深く掘り下げた作品になっているところに感動した。選ばなかった作品では『Vフォー・ヴェンデッタ』『トゥモロー・ワールド』も印象的。どちらも管理社会における反逆者の話で方向性が近い作品。2006年は「心温まる」よりも殺伐とした世界観の中で人間の営みを描いた作品が心に残った。


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映画賞の季節 [映画-雑記]

12月に入り、報知映画賞を皮切りにいろいろな映画賞が発表になる時期になった。因みに報知の作品賞は『フラガール』なんだそうな。まぁ、予想通りな結果。

僕も毎年自分なりに何本か挙げる事にしているのだが、嘗ての自分がいったいどんな映画を選んだのかすっかり忘れていたので、古いノートを引っ張り出してみた。何と一番古い記録は1979年である。まだ高校生だ。あまり本数は観ていないのに邦画と洋画それぞれ3本書いていた。これがなかなかなチョイスで嬉しくなった。偉いぞ、高校時代の俺! 特に邦画が面白かったのだが、それが以下の3本。

ルパン三世 - カリオストロの城1位 『ルパン三世 カリオストロの城』

2位 『銀河鉄道999』

3位 『天使のはらわた 赤い教室』

おぉ、何てこった! 高校生なのに日活ロマンポルノが堂々3位だ! 因みにキネ旬は1位『復習するは我にあり』、2位『太陽を盗んだ男』、3位『Keiko』で、『カリオストロの城』は54位、『999』は17位、『赤い教室』は13位である。

面白くなって1980年も見てみると、

ヒポクラテスたち1位 『ヒポクラテスたち』

2位 『翔んだカップル』

3位 『影武者』

あぁ、黒澤を3位にしている。さらにこの年の映画賞を独占した『ツィゴイネルワイゼン』は観ているのにランク外。因みにキネ旬は1位『ツィゴイネルワイゼン』、2位『影武者』、3位『ヒポクラテスたち』。『翔んだカップル』は11位。

調子こいて1981年も見てみよう。

ガキ帝国1位 『ガキ帝国』

2位 『の・ようなもの』

3位 『狂った果実』

気がついたら1位、2位は既にこのブログに登場している。好みが変わらないな、俺! これって成長してないってこと? 因みにキネ旬1位『泥の河』、2位『遠雷』、3位『陽炎座』。この3本は観ているのに入れていない。キネ旬では『ガキ帝国』は7位、『の・ようなもの』14位、『狂った果実』16位である。根岸吉太郎は『遠雷』ではなく『狂った果実』を入れているのがミソか?

こうキネ旬と見比べてみると自分の3本の方が意義ある作品が並んでいるように思えるのは手前味噌か? まぁ、何年経っても嗜好は変わらないモンですね。


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ロバート・アルトマン [映画-雑記]

ロバート・アルトマン監督が亡くなった。思えば機会はあった筈なのに、彼の作品を殆ど観ていない。

高校生(だったと思う)の頃、テレビで『マッシュ』を観て、つまらなく感じたのがそもそも縁遠くなったきっかけで、それ以来苦手そうな監督のイメージがつきまとい敬遠するようになった。また、彼の映画は出演者の多い群像劇が多かったので、知らない外人がいっぱい出る作品は誰が誰だか分からなくなる事が多いため(情けない…)観ずじまいになっていた。それに大コケした『ポパイ』なんてゲテ物(?)もあり、印象の良くない監督の一人だった。

今観れば『M★A★S★H』も面白いかもしれないと思える。以前から気になっていて観る機会がなかった『ナッシュビル』『ロング・グッドバイ』『ウエディング』…。一番観たい『ナッシュビル』がDVDになっていないのが残念だが、比較的観易そうな『ロンググッドバイ』あたりから観てみようかな。

ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2006/06/17
  • メディア: DVD

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夏といえば寅さんだった頃③ [映画-雑記]

(①、②ときて、その次なので③です。できましたら①から順番にお読みください

1996年8月4日、渥美清氏があの世に旅立つと同時に、全48作というギネスにも載った長いシリーズは幕を下ろした。それから2年後にはタコ社長こと太宰久雄氏も後を追うように亡くなっている。正月と夏の映画館から寅さんは消えてしまった。

夏になったら鳴きながら、必ず帰って来るあのツバクロさえも、

何かを境にぱったり姿を見せなくなる事だってあるんだぜ。

今では身に染みる台詞だ。もう寅さんの新作を観られる事は無い。永遠に。

最終話に近い作品のラストにこんな場面があった。寅さんが公衆電話からさくらに電話しているシーンなのだが、

さくら、家族ってやつはよォ、家族ってやつはよォ…

という台詞の途中で硬貨が無くなり、電話は切れてしまう。寅さんがさくらに言い損ねた台詞こそ、このシリーズのテーマではなかったのか。結局その先を言う事無く寅さんはいなくなってしまった。もっとも山田洋次監督もその先を言わせるつもりは無かっただろうけど。

タコ社長の娘、あけみ(美保純)がつぶやく、

あ~ぁ、寅さん帰って来ないかなぁ~

僕も今、同じ気持ちだ。

(おしまい)


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