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「大忍術映画 ワタリ」 [映画-DVD]

あけましておめでとうございます。僕はかなり寝正月です。


 

大忍術映画 ワタリ【劇場版】正月に観る映画として相応しいものは…と暮れに量販店で見つけたのがこの『大忍術映画 ワタリ』。何で正月に相応しいか、自分でもよく分からなかったけど、時代劇だし気軽に楽しめそうだしってことなんだろうか。原作は白土三平の漫画。彼の作品は好きで随分読んだ。『カムイ伝』『忍者武芸帳』『サスケ』が有名だが、『ワタリ』はその次くらいの作品。随分前に読んだので、どんな話だったか忘れかけていたので丁度いいと思って購入した。

話は白土三平の原作をなぞっており、ちょっと複雑。伊賀の忍者の里は2派に分かれており、それぞれの下忍たちがお互いに勢力争いをしている。また、忍者の規律は厳しく、規則を破ったものは殺される過酷な運命である。そんな中、天才的な少年忍者ワタリが彼の爺とともにどこからともなく現れる。彼らはその伊賀の里のとんでもない陰謀を知ることになり…。と大雑把なストーリーはこんな感じ。

この話を合成やワイヤーアクションなど古典的な特殊撮影とアニメとの合成という東映ならではの見せ場を交え、決して退屈させない創りになっている。今のCGが発達した時代からすれば実にチープであるが、1966年の当時としては相当頑張っていると思う。何となく懐かしい雰囲気がいい。

懐かしいと言えば主演のワタリ役は金子吉延、その爺には牧冬吉と、青影・白影コンビである。赤影抜きの『赤影』みたいなもので、そりゃ懐かしい訳である。でも懐かしいだけではない、流石に白土三平原作なので、仲間との悲しい別れもあり一筋縄ではいかない内容になっている。

そういえば手塚治原作の時代劇『どろろ』も近日公開だけど、この『ワタリ』よりも面白く出来てるのかな。いや、せめてこれよりは面白くあってほしいとは思うのだが…。


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「なごり雪」 [映画-DVD]

なごり雪 デラックス版友人に薦められて大林宣彦監督作品『なごり雪』をDVDで観た。

大林映画、随分久しぶりだなぁ、と一瞬思ったのだが、よく考えてみたら一昨年、この映画より後に作られた『理由』を見ていた。しかし、あの原作をよくまとめたものだと思ったものだが、大林映画を観たという印象はなかった。だからこの『なごり雪』が久々の大林作品に感じたのだろう。

昔のように「A MOVIE」とは出なかったが、隷書体のクレジットが大林映画っぽい。いきなり伊勢正三が唄う画面にタイトルクレジット。そういえば『時かけ』のラストで原田知世も唄ってたけど、基本的に大林監督は唄ったりするのが好きなんだなぁ、などと感傷に耽るのも束の間、三浦友和演じる祐作が妻に逃げられ遺書を書いているところに故郷からの電話。かけてきたのは旧友のベンガル扮する水田で、彼の妻が危篤で祐作に会いたがっている筈だから帰って来てほしいというもの。祐作は電車で帰郷する事にし、そこに彼の高校時代の出来事が回想される。

あ、これは『帰らざる日々』(以前記事にした→こちら)みたいだなと思い出す。やはり帰省するというのはドラマチックな出来事なのか。故郷というものが無い自分には実感できないのだが。

演出意図もあり、役者の台詞は殆ど感情を抑えた棒読み。以前から大林映画はそのようなところがあり、個性的になるよりも美しい台詞回しを重視している(映像特典のインタビューで監督が語っている)。結果的に小津安二郎っぽい古典的な雰囲気が漂う。これは上手い役者には良いが、実力が伴わない役者がこれをやるととてつもなく下手にしか見えない。この映画でも若手の役者には厳しかった様子で、特にベンガルの娘役の女優の演技は絶望的に思えた…のだが、世の中何が起こるか分からない。今やこの女優は主演作が何本もある超売れっ子。この映画を観たらその後の展開はアンビリーバボーである。

役者の演技はともかく、映画はあまりにも哀しく切ない。ある意味、嘗ての大林映画の主人公たちの後日談にも思え、青春時代のほろ苦い経験は、やがて取り返しのつかない深い悲しみに終わる。この映画は若い人よりもある程度年齢を重ねた人が観て切実に感じる作品になっており、嘗て尾道3部作を好きだった人には必見である。


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「クリスチーヌの性愛記」 [映画-DVD]

クリスチーヌの性愛記先日、近くの量販店のDVD売り場の新作コーナーでビックリ仰天。目立つ場所に大量に置かれた作品、若き日の憧れのスター、ジャクリーン・ビセットの顔、顔、顔。タイトルを見てぶっ飛んだ。『クリスチーヌの性愛記』!

な、な、なに~ぃ!!!

こ~んな、こ~んな超マイナー作品がDVDになったのぉ!?(しかもいっぱい入庫してるし…)

当時のファンでも「知る人ぞ知る」くらい超マイナー作品。僕は「ぴあ」で見つけて、わざわざ大塚にあった名画座まで観に行ったのだった。確か2本立てのもう一本は『薔薇色のロレーヌ』という、これまた超マイナーなフランス映画であった(ちょっとロリコンっぽい映画だった記憶が…)。映画館としてはキワモノ2本立てのつもりで組んだのだろうか。

で、元ジャッキー(チェンじゃないよ)ファンとしては当然購入。早速家に帰ってすぐ再生してみるとまたまたぶっ飛んだ。

とてつもなく画質が悪い!!!

まるで何度も繰り返しダビングされた裏ビデオ並み(懐かしい響き)の画質なのである。これではジャッキーの美貌もショーダンサーとなって全裸に近い姿態を披露してくれようが全て台無しである。パッケージにはこう書いてある「本編及びエンドロール中の画像・音声に一部お見苦しい点がございますが、原版に起因するものですので、予めご了承ください。」(下線筆者)

一部…

全部だよっ!!!!!!

この作品が作られたのは1970年。アメリカの映画界が斜陽になり、そこに現れた従来の価値観を覆したアメリカンニューシネマ。その先駆けとなった『俺たちに明日はない』が1967年度作品で、『イージー★ライダー』は1969年。低予算ながら当時の若い観客に支持された等身大の作品群の端くれというのが、この映画の位置であっただろう。正直、この映画のカメラは、アメリカンニューシネマのお手軽感だけ踏襲し、ただ下手なだけで、元々が良くないのだが、その上DVDの画質が最低とくれば、とても見られたもんじゃない。はっきり言ってジャクリーン・ビセットの相当なファンで彼女のものなら何でも欲しいという人以外には絶対にお薦めしない。間違ってもちょっと色っぽいタイトルに釣られてはいけない。後悔すること間違いなし。

で、この映画の内容についてだが…

…もう、いいか…


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「ユビサキから世界を」 [映画-DVD]

ユビサキから世界を見つかった 何が? 永遠が

ランボーの詞の引用、映画ファンなら誰しもゴダールの『気狂いピエロ』で使われていたことを思い出す。冒頭、現代社会の授業中に主人公・リンネのモノローグで使っているのだが、あまりにもベタな引用なので、青臭い映画青年の作品という気がするが、“セカチュー”ユキサダの新作である。

冒頭の谷村美月の表情がイイ。彼女は本当に才能ある女優だと思う。授業中、退屈そうにしてるだけなのに何が始まるんだろう、と期待感が高まる。しかし、この作品の良い部分って殆どここまで。他の女優と谷村のレベル差が大きく、真剣に自殺しようとしているのは谷村だけ(尤も設定もそうなのだが)で、後は「自殺する必要無いじゃん!」としか思えず、一旦別れてからの各々のエピソードも空回り。だが、肝心の谷村のエピソードも脚本・演出が最悪。ゾンビかと思った。

これが日本映画界のホープ(いや、もうエース?)の作品と言うなら情けない。『GO』が良かったのはまぐれ? 『セカチュー』がヒットしたのは宣伝力?(そうなんだけどね) あまりにも薄っぺらく、残念ながら化けの皮が剥がれた感じさえする。きっと、彼の師匠である岩井俊二が撮ったら面白くなったんじゃないかな。

この作品、ユキサダの『コテサキで映画を』というタイトルが相応しいと思う。


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「男はつらいよ」 [映画-DVD]

ちょっと前に寅さんの記事を書いたのだが、実は…

「男はつらいよ」の1作目を観てないっ!

男はつらいよそんな事を黙って3回に渡って記事を書いてしまった。こりゃまずいっしょ、って事で、廉価版も発売になったことだし、購入して遂に観ることにした。

元々寅さんはテレビドラマで、大好評だったため映画版が作られた。それが本作品。当時の映画界はテレビを下に見ていたので、松竹のお偉方は「こんなテレビドラマの映画化が当たる訳ない」ということで、かなり投げやりな公開の仕方だったらしいが、蓋を開けたら大ヒット。それからギネスにも載った長いシリーズが始まった。

映画の冒頭、白黒で柴又の風景が映し出され、寅さんの生い立ちのモノローグでスタート。ちょっといつもと違う感じ。それが終わるとバーンとタイトルが出て、例のあの主題歌。もうそこからはいつもと同じノリ。寅さんが10年振りに柴又に帰ってくる場面から。既に1作目で、江戸川の河川敷のゴルフ場で、パターで玉が穴に入る寸前で寅さんが拾い上げ、プレイヤーに放り投げてあげるギャグをやっている。その他、随所にお馴染みのギャグがあり、驚かされた。

1作目にして、既に全て完成されている!

実は最初は少し違ったキャラで、長い年月を経るうちに完成されていったのかと思っていたのだが、もうここで確立されていた。他の作品と唯一の違いはさくらが独身だった事くらいか。それも後半、タコ社長の印刷工場で働く博と結婚してしまう。きっと2作目はいつもの寅さんなのだろう(これも観てない)。

もう一つ驚いたこと。記念写真を撮る時に「バタ~」と言うギャグ、実は御前様がオリジナルだった! 御前様が間違った時、寅さんは何のことやら分からなかったのだが、早速さくらの結婚式の記念撮影の時に披露している。いったいそれから何回、寅さんはこの失敗をしでかしたのだろうか。

 


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「帰らざる日々」 [映画-DVD]

帰らざる日々夏の終わりが感じられ始めた今日この頃。映画のジャンルとして「ひと夏もの」というのが洋の東西問わずあり、夏の始まりとともに芽生えた恋も、夏が終わると淡い思い出となる、なんてストーリーも多く作られている。

この作品も夏の淡いというよりも痛い思い出が、回想と今(作られた年)と絡み合って進行する。監督は藤田敏八。実は藤田監督作品はあまり好きではなく、有名な『八月の濡れた砂』(これもタイトル通り夏の映画)もあまりピンとこなかったのだが、この作品は別。あまりにも切ない展開に心打たれる。

舞台は長野県飯田市。最近多く作られている地方を舞台にした映画の走りなのかもしれない。この山間の地方小都市が映画の切なさにマッチしており、実に効果的だ。主演は永島敏行と江藤潤。僕はこの2人を当時「マイナー映画の両巨頭」と勝手に名付けていた。マイナー映画とは当時の大手東宝・東映・松竹以外の作品で、彼らは大手3社以外の作品で多く主演していた印象があったからだ。今なら浅野忠信とオダギリ・ジョーといった感じか。また竹田かほりも花を添えている。彼女もこの作品に出ていないが森下愛子とともに「マイナー映画の2大ヒロインと勝手に名付けていた。そんな当時のマイナー映画のエースが集結したこの映画、夏の終わりに決まって観たくなるのだ。

1978年(今)、父親の葬式のため長野県飯田市に帰省するため特急列車に乗り込んだ野崎辰夫(永島)は車窓を過ぎ去る景色を眺めながら、1972年の夏にあった故郷での出来事を思い出していた。

高校3年の夏、辰夫はいけ好かない不良っぽい隆三(江藤)に、なぜか気に入られてしまう。辰夫には憧れの喫茶店のウェイトレス・真紀子(浅野真弓)がいて、彼女は隆三の従妹である事が分かる。隆三は辰夫に彼女との仲を取り持つと言って近づき、やがて2人に友情が芽生えていく。そんな中、辰夫の中学の同級生(竹田)と再会する。彼女は辰夫に好意を寄せていた。

やがて真紀子に妻子ある恋人(中尾彬・当時から濃い~キャラ!)がいる事を知る。高校生ではどうにもならない現実に打ちのめされ、辰夫に好意を寄せ、初体験の相手でもある彼女(竹田)も遠くに去ってしまう。辰夫は隆三に誘われてバイトを始めるが、やがて悲劇が…。一方故郷に着いた今の辰夫にも衝撃の事実が待っていた!

それにしても切なく、観ていて心に傷を付けられるような痛みを感じる映画である。散っていく友情・失恋・出会いと別れ・大人社会とのギャップ・初体験など、いわゆる「青春映画」のキーワードのてんこ盛りである。観ている人間も辰夫が回想する青春時代を自分の出来事であるかのように同化して観てしまうので、後半は本当に切なくやるせない気分になる。中岡京平によるシナリオのオリジナルタイトルは『夏の栄光』。実に逆説的なタイトルなのだが、アリスの主題歌を入れたために、その主題歌をこの映画のタイトルにしてしまったようだ。

それにしても、DVDの作品データによると、この映画のクランクインは1978年6月27日、クランクアップが8月3日、初号試写が何と8月9日、封切日が8月19日とある。この頃の日本映画って本当に突貫作業で作ってたんだね! 製作は日活。当時ロマンポルノを作っていたが、たまにこのような一般映画も作っていた。


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夏といえばチャンピオン祭り  「海底軍艦」 [映画-DVD]

海底軍艦 [DVD]夏といえば寅さんという記事を書いたばかりだが、夏といえばチャンピオン祭りとも思ったので、東宝の特撮映画を観ることにした。

やはり王道はゴジラシリーズかと思ったものの、あまり観る気がしなかったので、小さい時テレビで観たのだが、どんな映画かまったく思い出せず、また面白かったという記憶もなく、むしろ退屈だった印象の『海底軍艦』を観てみようと思い立ち、DVDを購入した。

いや、いや、これが面白かった! 円谷英二による特撮も素晴らしい出来で、子供の頃観た記憶なんてあてにならない事が改めて分かった。何せ海底軍艦が凄くカッコイイ。その代わり出てくる怪獣のマンダは竜そのもので、これはいささか情けない。この部分が子供受けしなかったのだろう。だから記憶に残ってなかったのだ。子供の一番の期待は怪獣だったのだからしょうがない。

ストーリーは嘗て海底に沈んだムウ帝国が地上に戻るべく人類に攻撃を仕掛ける。一方、第二次世界大戦時に海軍から離れて新兵器を開発しようとした一派がおり、ついにその兵器の海底軍艦を完成させる。しかし戦後20年経っており、日本は戦争放棄の法律が制定されており、それを受け入れられないこの一派は、嘗ての上官の説得にも耳を貸さず、これでアメリカと戦うことを諦めきれない。そんな中、ムー帝国の攻撃は激しさを増し、東京は火の海と化す。リーダーである神宮寺少佐の娘(藤山陽子)と恋人(?)であるカメラマン(高島忠夫)はムウ帝国に囚われの身となってしまい、スパイによって海底軍艦の基地も爆破されてしまう。そして遂に神宮寺少佐(田崎潤)は海底軍艦を人類のために使う決意をする…(この後はぜひご覧ください)。

この映画の人間ドラマはかなり面白く、海軍の残党の事などすっかり忘れていたのだが、子供にはなかなか理解できなかったというのが真相なのだろう。この映画は本来は子供向けに作られたのではないのだ。作られた1963年にリアルタイムで観た人は、この海軍の残党は案外リアルに感じられたのではないだろうか。海底軍艦は大袈裟にしても、戦後急速に復旧したにせよ、まだ20年も過ぎていない日本に、神宮寺のような考えの人間はきっといただろうし、戦争の影響は残っていたはずである。南の島で旧日本軍の横井さんが見つかったのは、この映画よりずっと後の出来事である。神宮寺のような人間はいてもおかしくなかったのだ。

一方ムウ帝国は東宝定番の変てこな南方人という感じで、相変わらず変な踊りも披露する。この一見原始的な民族が驚異的な技術を持っていて、人類を恐怖に陥れるのだが、それはちょっとリアリティが感じられない。しかし本多猪四郎監督の手腕でそれすら欠点と感じられず、最後まで緊張感を保っているのは見事としか言いようが無い。

とにかくお薦め!

 


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「マルクス一番乗り」 [映画-DVD]

マルクス一番乗り 特別版競馬の映画ということで、このブログにうってつけの組み合わせである。

マルクス兄弟の代表作は『我輩はカモである』『オペラは踊る』の何れかというのが世間一般の評価であろうが、彼らの芸を堪能できるという点ではこの映画が一番ではないだろうか。

3人の役割はいつもと変わりなく、立場的には一番上だが出鱈目な人物のグルーチョ、セコい詐欺師のチコ、ほとんど危険人物のハーポ。この映画ではグルーチョは獣医であることを偽って診療所の医者に収まり、チコはその診療所の運転手、ハーポはチコの友人の元騎手。その3人がつぶれかけた診療所と隣接する競馬場で大暴れするドタバタコメディである。

この映画の目玉の一つは、ストーリーには直接関係ないが、チコの超絶テクのピアノ演奏と、ハーポのハープの名演奏が楽しめるコーナーが設けられているところである。特にハーポは演奏を始めるといつもの危ない表情が素に返ったような真剣な表情に変わるのが印象的だ。

また、この映画はいかにもMGMらしくミュージカルシーンも散りばめられているのも売りのひとつになっている。ハーポを中心とした黒人労働者達とのナンバーが一番の見所だが、その他にもグルーチョの抱腹絶倒のダンスもある。また、マルクス兄弟が全く絡まないナンバーさえあり、最後にはそれをぶち壊しにするのかと思って観ていると、結局何も手を出さずに大人しく終わってしまった。このシーンは会社側が無理に入れたものなのか。とにかくMGM映画なんだなぁ、と思わせるシーンになっている。

マルクス兄弟の映画を観ていると、W・アレン監督作品『アニー・ホール』を思い出す。この映画の冒頭で本人が自分の恋愛観を述べるのだが、それが「自分を入れるようなクラブには入りたくない」というグルーチョの言葉を引用している。いかにもへそ曲がりなこの2人が実は大好きなのである。

 


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溝口健二監督作品のDVD情報 [映画-DVD]

先日の記事で「溝口監督作品のDVDを何故出さないんだ」と書いたら、この秋に一気に出まくることが判明した。大映の権利を持つ角川ヘラルド、東宝(もうAmazonに出てる)、松竹、紀伊国屋書店の4レーベルから20作品らしい。それにしても、何も同じ時期に出さなくても…。かえって迷惑なんだけどな。おまけに角川はBOXセットで、バラで出してくれるのか不明。BOXセットっていいようで迷惑だと思う。かなり価格が高くなってしまうから、買うのに結構思いっきりが必要。長いスパンでこつこつ集めたいし、これはいらないやってのも入ってしまうから絶対バラの方がいいと思うんだけど。

詳しくはHPを見てね。(ココ

それから恵比寿ガーデンシネマで9月に上映されるらしい。映画館で観られる数少ないチャンス!

↓DVDのパッケージは公開時のポスターを使ってるようだけど、イイね、これ!

西鶴一代女

西鶴一代女

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/09/22
  • メディア: DVD

 

 


タグ:溝口健二
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「日本一の色男」 [映画-DVD]

日本一の色男C調無責任を売りにして人気者となり、『ニッポン無責任時代』に始まった植木等主演の東宝映画シリーズの一本である。これまで幾つかは観ていたが、この映画はDVDで始めて観た。

基本的にどの作品もパターンは似ている。植木等演じる主人公(名前は○○等。苗字は作品によって異なる。当作品では光等。モテるので光源氏のイメージ)が会社で成り上がっていく話。多くの作品で共通することだが、とにかく超モーレツ社員で、決して『釣りバカ日誌』のようないい加減な仕事ぶりではなく、素晴らしく有能なセールスマンであるので、会社としてはかなり有難い存在であろう。この作品でも大口の注文をバンバン取ってくるのだ。

じゃあどこがC調で無責任なんだと思われるかもしれないが、化粧品のセールスマンなので売り込み先は女性。とにかくモテるため、その気にさせて、時には口先だけで婚約する約束をしたりして注文を取る。本人にはしっかり彼女(藤山陽子)がいるのだが、最後にはどんでん返しが…。

それにしてもこの映画、冒頭からいきなり植木ワールドが炸裂する。ある女子高の卒業式、しめやかに蛍の光を合唱していると、突然メロディーが変わりピアノを弾いていた植木等があろうことかへんてこな歌を唄い始め、挙句の果ては壇上に上って踊り始める。ここなんかちょっとマルクスブラザースっぽいのだが、もうハチャメチャである。即刻クビ(今までよくクビになってなかったよな)となり化粧品会社に再就職。会社一のセールスマン(団令子)に取り入り、困難な相手(京塚昌子)からバンバン注文を取り、営業成績はトップになり金もバンバン貯まっていく。もうトントン拍子の極み。バイタリティーの塊である。

ストーリーの合間に植木等の歌が挿入されるのだが、これがまた楽しい。特に突然国立競技場のスタンドで唄い踊る「どうしてこんなにもてるんだろう」は秀逸。この時代の娯楽作品はこのようにストーリーから独立して歌のコーナーがある映画が多いのだが、まだテレビよりも映画の方が一般的で、歌番組の役割は映画が担っていたのかもしれない。一時期ストーリーの途中で急にミュージカルになるインド映画が話題になった事があったが、日本映画はずっと前に既にやっていた。

とにかく観れば元気が出る映画。まだ植木等の主演作を観た事無い人は一度観てほしい。きっと植木ワールドにはまるはず。

 


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